iCrip magazine 『続きはwebで!』vol.3 emerald city ~理想病院建設中~
2011.12.07 15:49 Edit
今回の対談お相手は台東区は入谷にある、ヴェリ素敵なカフェ「iriya plus café」のオーナー、今村ナオミさんです。
非っ常〜〜に楽しい対談となりました!
どうぞ!!
まず自己紹介をよろしくお願いします。 はい。私は元々、ライター、編集者で、これまで100以上の医療機関、医療者への取材を経験しました。 それから、例えばMORE、オレンジページ、ESSEなどの女性誌をメインに医療系の記事を書いてきました。 集英社やNHK出版などの新書で、ピルやPMS(月経前症候群)のことなど様々な編集をしてきました。 今はカフェのオーナーさんですね。 はい、今は出版の仕事を続けながら、3年前からiriya plus caféというカフェのオーナーをしています。 出版のお仕事はまだ続けられているんですね? はい、続けてます。去年は本を2冊作ったかな。 でも、一番忙しかった時から比べたらだいぶ減りましたよ。多分1割くらいになっていると思います。 どうして編集のお仕事をはじめられたんですか? 実はワタシ、知り合いがスタイリストで、ちょっとだけ読者モデルをやっていたんです(笑)。 そのときに、撮られる方ではなくて、つくる側になりたいと強く思ったんです。 それと、その当時から「女性の自立」ということに興味があったのも大きいです。 男性だからこうあるべき、女性だからこうあるべき、といった社会的性差というものにとても反発があったんです。 なぜか外見では柔らかく見られがちなんですが、どちらかというと硬派というか、いわゆる女性らしいタイプではないんです。読モはやっていましたけど(笑)。 そういうこともあって、出版の仕事をしたいと思ったし、出版の仕事がカッコイイと思ってました。 なるほど。 はじめはどこかに所属されていたんですか? いえ、ほぼずっとフリーです。ホントに一番最初だけ小さな広告制作会社に所属しましたが、どうしても雑誌の仕事をしたくて、ラッキーにも集英社のMOREリポート班に入りこむことができて。 フリーで入ったのは私だけだったんですよ。 そこで、女性のセクシャリティや自立、ジェンダーのテーマに取り組んでいました。 セクシャルハラスメントのことを日本のメディアで一番最初に取り上げたのも私たちだったんですよ。 その頃にお世話になった、とてつもなく厳しい女性の編集者がいらして、その方にとても鍛えられました。吐きそうになりながら。。あっ、でもとても感謝してますし、今でも仲良くしてもらってますよ。 それは物凄く大変そうですね。 それだけお忙しく出版のお仕事をされていたのに、カフェを開かれたのはどうしてですか? 2005年に大きな仕事をして、それが終わって何か新しいことをしたいなと思いながら入谷のあたりを散歩していたら、ここ(現在のiriya plus café)のスペースが貸家になっていたんです。 元々飲食店で働いた経験もなかったし、その時にはカフェをやるなんてアイデアは全く持っていませんでした。ただ、ここを貸スペースかアートギャラリーにしたいなくらいの発想はあって、あとは、こんなスペースにはもう出会えないと思ったんです。 駅から近くて、天井も高くて、自然光もある程度入って、という物件ですからね。 でも、編集の仕事をバリバリされている中で、全然方向性が違うように思える「スペースを生かしたい」という発想はどこから生まれたんですか? それは夫の影響もあると思います。 夫は空間アーティストで、以前自宅の一階を一時期はギャラリーにしていたんですが、駅から遠いし、それを続けていくのもどうかなと思っていたんです。今、そこは荷物置き場のようになってしまっていますが、、、、 それと、夫がアメリカのマットレスファクトリーという素敵な場所で展覧会をやった時に色々な出会いがありました。マットレスファクトリーとは、元々マットレスの工場だった場所を改造して美術館にしたという場所で、当初はバーバラとマイケルという2人が運営していたのですが、インスタレーションだけをやるコンセプトで、とても心に残っています。そこでジョン・ケージに出会ったり、その他にも色々なアーティストに出会いました。 そのマットレスファクトリーをやっている2人のチャレンジ精神が素敵に思えて、チャレンジをしたくなったのも一つあるかもしれません。 ジョン・ケージと会われたんですか!? はい。お家にも招いて頂きました。 それは凄いですね! あとは、出版の仕事を続けていてずっと思っていたことがあって、出版のお仕事って、つくっている間は色々な職種の人と密接に話し合ってつくり上げていくのに、終わったら全く何もなかったかのようにパーーって終わってしまうんです。それが何だか寂しいなと思っていました。 そういうこともあって、信頼のおけるメンバーと一つ一つ関係を積み上げながら一つのもの、今はカフェですが、そういうものをつくっていくということに挑戦してみたいと考えるようにもなりました。 実際にそれが向いてるかどうかは全然分からなかったんですけどね。 やってみていかがですか? 向いてましたね(笑)。 本にしてもカフェにしても「つくる」ということがお好きなんですね。 そうですか? だって、そうじゃなかったら読モから編集者を志さないと思います(笑) でも、元々飲食の経験が全然無かったのに、なぜカフェにしたんですか? ここの物件を借りてから、あまり何も生かせないままに2年が過ぎて、更新の時期がきた時に、「わたしはここを全然生かせてない。でも、わたしにはここを生かす責任がある」という使命感が突然降りてきたように感じたんです。 それでカフェをやることにしたんです。 そこでカフェを選択された理由が理解できないんですが、、、、 元々カフェが凄く好きだったのもありますし、あとは「カフェ、やれるっしょ」みたいな感じで、あんまり何も考えずに走り始めたところもありますかね。 ワタシ、全然じっくり考えてやるタイプではないんです。やりながら考えるタイプなんです。あと、周りがこうしてるからこうしなくちゃ、というのも全然ないですね。 だから経験なくても出来る気がしたんだと思います。 実際、カフェはレストランなどと比べて、思ったことをすぐに形にしやすいし、スタッフがとても優秀なので今やれてるんだと思います。 なるほど。確かにとても素敵なカフェだと思います。 では、本日の本題ですが、ナオミさんにとって、通院や入院するにあたって少しでもワクワクするような病院てどんな病院だと思いますか? やっぱりより日常に近い方が良いですよね。 例えば着替えとかメイクとか、そういうことが出来なくなるだけでリズムがおかしくなるし、スイッチも入らないですよね。オシャレは人の気持ちを変えると思います。。 あとは病院の空間そのものが魅力的であるということがとても大事だと思います。 病院がどんな空間になったら良いと思いますか? そうですね、院内感染の問題などあってなかなか難しい部分もあるかもしれないですが、シーリングファンがあったり、あとは大きな樹齢100年くらいの木が吹き抜けのところに生えているとか、とにかく心地よい空間というのをもっと意識した方が良いような気がしますね。 成長している企業の空間て、とても楽しいし実験的なんです。 やっぱり、成長している企業はクリエイティブな空間づくりが会社自体のクリエイティビティに影響するということを知っているんですね。 だから病院も少しでも楽しい空間づくりをしてほしいと思います。 例えばどんなアイデアがありますかね? 例えばせめてナースステーションだけでも楽しくて人が集まりやすくするとかどうですか? ナースステーションて、病棟の真ん中にある印象なので、そこが楽しいと全体的に明るくなると思うんですね。 なるほど!確かにそこがひとつの「場」になればいいですよね。 そうです。ナースステーションがカフェのカウンターのようになったら、それこそ楽しいと思います。お茶も出せたりしたらなお良しです。 もちろんしっかりとお仕事はするんですが、患者さんが集まりやすいように、敷居が高くならないような空間をつくるべきだと思います。 そうだ!「ナースステーションカフェ」ってどうですか? それ、いいですね! 確かに、院内にカフェやレストランがあってもそこに行くことが出来ない患者さんもいますもんね。 そうですよー! 前に、ある病院の看護師さんを3人取材したことがあって、皆さん、物凄くモチベーションが高くて、サービス精神に溢れていたんです。その人たちの話を聞いて、入院生活というものはドクターよりもむしろ看護師さんがつくっていくものだということが分かったんです。 あれだけサービス精神がしっかりしている看護師さんだったら絶対素晴らしいカフェができますよ!!やってほしいなぁ。 治療の説明とか、退院後の生活の説明とかもそういう空間でやれば、より伝わりやすくなると思います。 時にはドクターがコーヒー入れて、「僕コーヒー入れるのうまいんですよ」なんて言われたらキュンとしちゃいますよ。 確かにそうですね。治療のことも色々話やすくなりますし、何より楽しいでしょうね、絶対。 そんなんですよ。私はドクターとお会いすることが多いので、受診した時もあまり物怖じせずに色々な質問も出来るんですが、一般の人にとっては治療に対する意見などは言いにくい環境にあると思います。治療のことに関して言えば、西洋医学でない部分がもっとたくさん入っていればいいなと思います。ウチのカフェのスタッフには、ロミロミのマッサージが得意なコがいるんですが、物凄く気持ち良いんです。そういった治療のチョイスの幅を広げることも必要だと思うし、そういう相談を気軽に出来る空間があるべきだと思います。 病院にとって患者さんはクライアントなのに、言いたいことが言いにくいという状況は良くない、というかおかしいと思うんです。 それは僕も常々感じてます。 やっぱり、ドリンクがあって、小さな食べ物がチョコチョコあるとか、そういう空間はそれだけで心を和ませますよ。カフェをやってみて分かったんです。 全然凝ったメニューはいらないんですよ。 簡単なメニューがあるだけで絶対違います。 是非是非、やって下さい!! こんなiriya plus caféみたいな居心地の良い空間がナースステーションだったら本当に素晴らしいし、病院全体が絶対明るくなりますね。 積極的にコミュニケーションを取りたくなると思います。 そんな病院があったら、それはもうワクワクして仕方がないでしょうね! この後、話はとても脱線していき、対談は約4時間に及びました。 とても楽しい対談でした。 今村ナオミさんとは10/29にiriya plus caféにて『Pancake Party』 というイベントを共同主催させて頂き、とても素敵な空間を存分に楽しむことが出来ました。 そして、現在、東京造形大学サステナブルデザイン科のイベント制作講義の特別講師として共に参加していて、12/23には東京造形大学内のCS-Labという施設で、その講義に参加している学生さんたち、通称「ゾーケイ3-4限」とともにクリスマスセレブレーションパーティを行います。 イベント名は『くつしたJOYZ』!!!! いつもワクワクしている、ということを教えてくれたナオミさん、 本当にありがとうございました!!
